MENU

75歳からの医療費、じわりと増えています。2026年、知っておきたいお金と健康のこと。

「1割だと思っていたら、いつの間に2割になっていた」——そういう方、意外と多いんです。

先日、ご近所の方からこんな話を聞きました。

「病院の窓口で、いつもより多く払った気がして。
帰って明細を見たら、やっぱり増えてた。いつから変わったんだろう」

そのとき「そういえば、ちゃんと説明できないな」と思ったんです。

今日は、2026年の医療費まわりで知っておいてほしいことを、
できるだけ穏やかにお伝えしたいと思います。

目次

■ 「2割負担」の軽減措置が、2025年9月末に終わりました

75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度では、
原則として医療費の自己負担は1割です。

ところが2022年10月から、一定以上の所得がある方は「2割」に引き上げられました。

当時、急な変化で家計に響かないよう、
1か月の負担増を3,000円までに抑える「軽減措置」がありました。

その軽減措置が、2025年9月30日をもって終了しています。
(厚生労働省・政府広報より)

つまり2026年に入った今、
対象の方は完全に「2割負担」がフルでかかるようになっています。

2割負担の対象になるのは、後期高齢者医療制度に加入している方全体のうち
約20%(約370万人)ほどとのことです。

「私は関係ない」かもしれないし、「実は対象だった」かもしれない。
自分の負担割合は、お手元の被保険者証か、マイナポータルで確認できます。

■ 保険料も、また上がりました

医療費の話と少しつながりますが、
75歳以上の方が支払う後期高齢者医療の保険料も動いています。

2026〜27年度の全国平均の月額が、7,989円と過去最高になりました。
前の2年間より7.8%(578円)増えています。
(日本経済新聞、厚生労働省公表データより)

都道府県によってかなり差があって、
東京都が最も高く月1万352円、
最も低い青森県は4,990円です。

「保険料って、毎年じわじわ上がっているな」
と感じている方、その感覚は正しいです。
高齢化による医療費の増大が続く限り、この流れは続く見通しです。

■ 定年後、健康診断を受けなくなる方が増えます

少し話が変わりますが、60代の健康について大切なことを。

会社員の方は、現役のうち会社が健診を手配してくれます。
でも退職すると、自分で手続きをしないといけなくなる。

実はここで、健診を受ける割合がぐっと下がります。
50代に比べて、60代の健診・人間ドック受診率は約7%も落ちるというデータがあります。
(厚生労働省「国民生活基礎調査」)

「どこで受ければいいかわからない」
「いくらかかるかわからないから先延ばしにしている」

そういう方が多いのかもしれないな、と思います。

60代以降の健診は、お住まいの市区町村で受けられます。
案内が届いていることもありますが、気づかず捨ててしまっていることも。
一度、お住まいの市区町村の窓口やホームページで確認してみてください。

ちょっと怖い話になってしまいますが、大事なことなのでお伝えします。

要介護になるきっかけの約12%が、骨折や転倒です。
(ソニー生命・厚生労働省データより)

段差につまずく、ちょっとした段差で転ぶ——
若いころなら何でもなかったことが、骨折につながることがあります。

特に女性に多い骨粗しょう症(こつそしょうしょう)は、
骨がもろくなっているため、転倒がそのまま寝たきりに直結することも。

「私はまだ大丈夫」と思うのはとても自然なことです。
でも、それを思えている今のうちに、
足腰を意識的に動かす習慣を持っておくのが
一番の予防になると思っています。

難しいことじゃなくていい。
毎日少し歩く。意識してかかとをつける。それだけでも違います。■ 転んで骨折、それが要介護のきっかけになることがある

■ 脳卒中は、要介護のきっかけの第1位に近い数字です

もうひとつだけ。

脳卒中は、要介護のきっかけの19%以上を占めています。
命はとりとめても、体に障害が残ったり、寝たきりになることもある病気です。

脳卒中の予防に最も効果があるとされているのは、
高血圧・糖尿病・肥満などの生活習慣病のコントロールです。

「血圧、少し高めと言われているけど、まあいいか」
「薬を飲むほどじゃないと言われているから様子見」

そういう方こそ、今一度、かかりつけの先生に相談してみてほしいです。

自分の体と向き合う機会を、意識的につくること——
それが一番お金のかからない「医療費対策」でもあります。

■ 今日のまとめ

・75歳以上で「2割負担」の方は、2025年10月から軽減措置がなくなっています。まず自分の負担割合を確認を。
・後期高齢者医療の保険料は月7,989円と過去最高に(全国平均、2026年度)。
・定年後は健診を受けなくなる人が増えます。お住まいの市区町村で受けられます。
・転倒・骨折が要介護のきっかけになることがある。足腰を動かす習慣を今から。
・生活習慣病の管理が脳卒中予防に。かかりつけ医との関係を大切に。

医療費が増える話ばかりになってしまいましたが、
知っていると「備える」「確認する」「相談する」という行動につながります。

「なんか気になっていたけど、よくわからなかったこと」が
少し整理されていたらうれしいです。

またゆっくり、いっしょに考えていきましょう。

【参考・引用元】
・厚生労働省「後期高齢者医療制度の窓口負担割合の変更等について」
・政府広報オンライン「後期高齢者の医療費の窓口負担割合」
・日本経済新聞「後期高齢者の医療保険料、月7989円 過去最高の見通し」(2026年4月)
・厚生労働省「国民生活基礎調査(2019年)」健診受診率データ
・ソニー生命保険「年代別健康づくり」(厚生労働省データをもとに)

※本記事は公開情報をもとにした解説です。
 医療・健康に関する個別のご判断は、かかりつけの医師にご相談ください。

目次